お茶のお稽古をされている方なら
「芦屋釜」というのを聞かれたことがあるでしょう。
現在、国の重要文化財に指定されている茶釜9個の内8個が「芦屋釜」です。
関西に住んでいると「芦屋」というと
浮かぶのが兵庫県南東部にある高級住宅地の「芦屋市」です。
でも、「芦屋釜」の「芦屋」は
福岡県遠賀郡芦屋町の「芦屋」です。
「芦屋釜」は
南北朝時代から大陸への出入り口でもあった「芦屋湾」の辺りで作られた「釜」のことです。
釜の製作技術が高く、厚さ2mm程度で作られていました。
釜の表面には動物や松などを描くものもあれば、霰地のように釜全体に描かれる文様などがありました。
「芦屋釜」の名は当時、文化の最先端であった京で高く評価され、多くの茶人を魅了していました。
しかし江戸時代には、その技術が途絶えてしまいました。
7月27日に
久留米に行く用事があり、次の日に学生時代の友人と門司で晩ご飯を食べることにしていたので、
空いた時間に「芦屋釜の里」に行ってみようと思い立ちアクセスなどを調べました。
けっこう遠いです。
博多駅まで新幹線、博多駅から大分行きの特急ソニックで折尾駅へ、
折尾駅からは北九州市バスで25分ほどで山鹿郵便局前に、
そこから 歩いて10分ほどで着きます。
車でなら行きやすいのかも知れませんが
公共の交通機関では なかなか行きにくいところにあります。
炎天下、10分歩く間
誰にも会いませんでしたが
突然、「芦屋釜の里」がありました。
【芦屋釜の里】
住所 : 福岡県遠賀郡芦屋町大字山鹿1558-3
開園時間: 9:00〜17:00(入園、呈茶は16:40まで)
休園日 : 月曜日、年末年始(祝日にあたる場合は翌平日)
入園料 : 中学生以上 200円
https://ashiyakankou.com/ashiyagama/
入場料が 200円とお安いです。
呈茶券も 300円とお安いので ぜひ、セットでのお買い求めがお薦めです。
やっと着いたので嬉しかったですし
お庭を掃除されていた方や受付の女性の方が にこやかでしたので気分よく入園しました。
まず、入ってすぐ右側の資料館へ。
資料館では最初に10分ほどのビデオが観られます。
クーラーが効いてまして
涼みがてら しっかりと拝見して「芦屋釜」について知りました。
次に「茶釜」の展示室を観ました。
その後は、広い庭園を歩き
クーラーが効いた大茶室「蘆庵」へ。
靴を脱いで上がれます。
サンダルで伺ってましたが、靴下を持っていってたので良かったです。
庭園を ぐるっと廻って
小茶室「吟風亭」へ。
露地のほうから
茶室を拝見できます。
大茶室の案内の方に
〜工房で何か見学できるのですか・・・とお聞きしたら
今日は釜師さんが来られているから
ぜひ、のぞいてみて下さい と言われましたので、工房へ。
工房には釜師の八木(やつき)さんがおられました。
何か質問ありましたらと話しかけて下さったので、
何も知らない私は
あれやこれやと尋ねました。
丁寧に答えて下さいまして話が弾み とっても勉強になりました。
さて、最後に「立礼席」へ。
7月27、28日は「朝顔呈茶」ということでお席の周りには「朝顔」の鉢。
朝顔の生菓子
お薄は 詰 小山園 銘 和光
季節のお茶で「抹茶アイスと冷茶」もありました。
喉も渇いていたので
300円のお茶券をもう1枚買って
こちらも、いただきました。
「芦屋釜の里」に滞在した間にお会いした他の入園者さんは たったお2人。
竹下首相の「ふるさと創生事業」の1億円で作られた施設だそうです。
もう少し交通の便が良ければ ええのになぁ・・・
もっと多くの方が利用されるかも知れません。
茶道関係の施設らしく
みなさん 素敵な笑顔で迎えて下さいました。
そして、いろいろと教えて下さって送って下さった
八木さん、ありがとうございました。
みなさん、ほんまに おおきに。