「世界リレーシップ茶会」って
どんな茶会かご存知ですか・・・
恥ずかしながら、私は ちっとも知りませんでした。
〜日本では、過去に他国との戦争において罪なき大勢の人命を無くしています。
そしてまた、今も世界のいたるところでテロもあり、世界情勢は今、まさに緊迫した状況です。
戦国時代に生まれた茶道はこの様な混沌とした時ほど、一時の静寂をもたらすものではないでしょうか。
人と人、国と国を結びつけ、その和を世界に繋げたいと思い、その想いを軸に込め
国境や流派を越えて廻していく 世界平和を願う茶会です。〜
バトンとなる軸は大徳寺塔頭大慈院前ご住職 戸田実山和尚が書かれた三幅です。
「一華開五葉」
「円相に明歴々」
「円相に露」
2017年9月に京都から発し、三幅がヨーロッパ・アジア・アメリカに分かれて
世界をリレーされました。
主宰者の横倉宗久さんのご主人の所で畳をお願いしたご縁で
久しぶりに里帰りした 三幅の軸が掛る
大徳寺大慈院さんでの茶会に伺いました。
3月2日、
梅も咲いて、春らしい暖かい日でした。
会場で受付のある大慈院さんの方丈へ。
受付をすますと
今なら ほとんど待ち時間なしで薄茶席へご案内できますよ
と声を掛けていただいたので
まずは、方丈にある薄茶席へ
床にはバトンの軸
「一華開五葉」が掛っています。
香合 忘貝 玉楮象谷
花入 雪輪瓦 楽入
花 蕗の薹
大炉に使われる 雪輪瓦に蕗の薹、
雪の間から蕗の薹が生えてきているような粋な演出です。
風炉先 千年杉
長板 木地 中村昌生
風炉釜 上野焼
水指 柳に桜 加藤利昇
薄器 早蕨 一瓢
茶杓 彫漆 讃岐漆器 香川輝山
茶碗 安南写 十一代保全
菓子 オーストラリアからアンザック ビスケット
ドイツからチョコのかかったバームクーヘン
アンザックって どういう意味なの調べました。
第1次世界大戦の時のオーストラリアとニュージーランドからの志願兵によって編成された軍隊の名前でした。
昔からオーストラリアの家庭で食べれれていたシンプルなビスケットですが
材料に卵などの腐りやすいものが入ってなく
オート麦など栄養価も高かったので
家庭で作り戦地の家族へ待って行かせたり、送ったりされたのだそうです。
世界平和を願う茶会にもってこいのお菓子ですね。
薄茶 銘 福昔 一保堂
お席に入って座っていると
紋付袴の若い男性が大きな舞扇を前に置かれて一礼。
えっ!
茶扇子じゃないよね・・・!
〜おめでたい席ですので「羽衣」を〜
観世流能楽師 樹下千慧(じゅげ ちさと)さんの謡、
畳半畳ほどしか離れていないお席で声が響き渡ります。
素晴らしい!
謡の余韻にひたる中、点前が始まりました。
お正客の方は赤い襷をかけてられ
先日、こちらのお軸で釜を掛けられていた方だそうです。
次客さんはボストンで三客さんはビスケットを届けて下さったウェンディさん、
どちらも地元で
この軸で釜を掛けられてました。
薄茶席は席主が
主宰者の横倉さんなので半東に入られご挨拶されました。
素朴なお菓子に たっぷりのお薄が良く合いました。
このあと、濃茶席・点心席と続きますが
長くなりますので また、次回へ