いったい いつまで、蒸し暑いのかと思っていましたら
突然、秋らしくなりました。
連休中は いかがお過ごしでしたでしょう。
私は 10月8日の土曜日にお招きいただいて
「正伝永原院」さんへ出掛けて来ました。
こちらのお寺は
「建仁寺」さんの塔頭です。
「建仁寺」さんの北側、花見小路の1本西にあり、
祇園にある場外馬券売り場も近いのです。
ちょうど、京都競馬場の秋のレース初日と重なりましたので、
観光客の方々に馬券を買いに来られる方々で
賑やかでした。
でも、お寺の門をくぐりますと、喧騒が嘘のように 静かなのです。
受付を済ましまして
墓所を通って、待合になっています 本堂 へと案内されました。
本堂には二つの扁額
「正伝院」「永源庵」がかかっています。
「正伝永源院」さんは「正伝院」と「永源庵」が一緒になったお寺です。
細川家の菩提寺「永源庵」廃仏毀釈で廃寺になり、
織田有楽斎によって江戸時代に再興された「正伝院」は
京都府の窮民産業所設立のために、寺号だけを残して替地になった「永源庵」に移ったのだそうです。
詳しいことは「正伝永源院」さんのHPに書かれています。
【建仁寺塔頭 正伝永源院】
住所 : 京都市東山区大和大路通四条下る小松町586
http://www.shoden-eigenin.com/
お席入まで
お参りをして、本殿やお庭を拝見して過ごしました。
本殿の襖絵は細川護熙氏筆
お庭と池
お庭の南西角には 有楽斎が建てた茶室「如庵」の写しがあります。
〜中へは入っていただけませんが、どうぞ、お近くで観て下さい。
との案内にお庭へおりて拝見しました。
当時の暦を使って復元された「暦張り」の壁もはっきりと見えます。
今年の7月に伺った
犬山にある移築された ほんまもんの「如庵」は こちらの写真です。
「正伝院」から東京→大磯→犬山へと移築された国宝のお茶室です。
障子も閉まってまして、暗くて中をのぞいても良く見えませんでした。
写しとはいえ中が はっきりと見えると嬉しいですね。
などと
あちこち、拝見していると あっという間に時間が過ぎまして
お席に案内されました。
恐ろしいことに、流れの中で 正客に座ることに!!
有楽流の作法も知らないのに、どうしましょう。
緊張の中、お点前が始まりました。
客付きに向かれて 一言 「どうぞ、ご自由に。」
お楽にという意味でしょうか、男性なら胡坐をかいても いいのかしらと思いをめぐらし
着物で伺っているので正座のままでお点前を拝見します。
男性のお点前で 武家点前らしい所作でした。
お茶は 峰の白 詰 柳桜園
主菓子 銘 着せ綿 製 松寿軒
松寿軒さんは松原通大和大路西入にあるお菓子屋さん。
えべっさん へお参りに行くときにも
お店の前を通ったことはありますが買ったことは ありませんでした。
建仁寺さん御用達だそうで
とても美味しかったです。
そして、始めていただいた 有楽流のお点前
お薄を一口飲んで、美味しいなぁと思っていると
〜お服かげんは と尋ねられました。
あわてて、
〜大変、結構です とお答えしました。
有楽流ではお薄の時も お服かげんを尋ねるのですね 勉強になります。
水屋で用意しておりますので もう一服いかがですか と薦められて
思わず
もう一服お願いしますと お答えしました。
すると、
水屋から 可愛い干菓子が運ばれてきました。
鍵善義房の鶴と亀
干菓子でも一服ちょうだいしました。
お点前に使われた 棗 桐蒔絵(五九桐) 塗 近左
茶杓 益州箱 銘 竜田川
11月の名残の季節らしい取り合わせで、お道具 素晴らしかったです。
正客でしたので金継された風情ある珠光青磁で一服いただけました。
幸せです。
床 織田有楽斎書状〜藤堂高虎宛〜
花入 唐物籠
香合 石榴 (望月重信作)
風炉先 神代杉(如雪作)
釜 鉄 鬼面
風炉 切合せ風炉
敷瓦 建仁寺法堂敷瓦
水指 不識 蓋 金襴手赤絵(善五郎造)
薄器 大棗真塗 (余三作)
替 大棗桐蒔絵 (近左作)
茶杓 有楽斎作
替 益州箱 銘 竜田川 (益州老師)
茶碗 珠光青磁
替 赤茶碗 (道八作)
替 斑唐津 (不東作)
作が入っていないのは、全て、「正伝永源院」さんに伝わるお道具です。
普段は公開されていませんが
秋の庭園特別公開 寺宝展で 11月3日(木・祝)〜12月4日(日)に公開されます。
ぜひ、お出掛け下さい。
http://www.shoden-eigenin.com/function/index.html