名残の茶事
お茶の世界では10月は名残を惜しむ季節です。
茶壺のお茶も少なくなり、
風炉の季節にも別れが近づきました。
11月には
炉を開き、お茶のお正月を祝います。
それとは対照的に侘びた風情を楽しむのです。
先週末に、宝ヶ池にある 信養院さんにあるお茶室での
「名残の茶事」に寄せていただきました。
信養院さんの本堂を望むお庭です。
ハナミズキが紅葉していました。
お茶室の しつらいも侘びたものがもちいられます。
風炉は鉄の 欠(やつれ)風炉でした。
鉄の風炉が自然と朽ちた感じが景色となっています。
風炉が鉄で出来ているので
敷かれているのも 織部の陶板です。
風炉の中の 灰は藁灰がきっちりと敷き詰められています。
塩水に浸けておいた藁を
オーブンで 返しながら黒く焼けるまで4時間ほどじっくりと焼いて作られたそうです。
本当に、お手間いりです。
この黒い藁灰の景色は 名残の時期にだけ見られるものです。
壊れたお道具を金継ぎしたものなども
この時期にだけ使うことができます。
今回もお茶碗に金継ぎしたものがありました。
炉の季節になると
茶花は 椿になりますから、 名残を惜しんで たくさんの種類の花を活けます。
えのころ草、赤と白の水引草、藤袴、杜鵑(ほととぎす)、白の吾亦紅(われもこう)など
お茶事となると
ご亭主はお掃除、水打ちから
お料理、お茶の用意など 用意せねばならないことが たくさんあります。
頭が下がりますね。
美味しいお料理にお菓子とお茶、
私はお客として 贅沢に楽しませていただきました。
ありがとうございました。
- 2013.10.31 Thursday
- 日記
- 23:03
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- by 織文意匠鈴木